ASEANでトップクラスのアクセス数を誇るベトナムのeコマース企業

世界規模での技術革新の需要高まりに支えられ、ベトナムの首都ホーチミン市のeコマース産業の将来は有望であるといえます。

2019 年 05 月 , by

Tiki、Thegioididong、そしてSendoは、東南アジアにおけるアクセス数上位10サイトに含まれる、ベトナムのeコマースプラットフォームです。iPriceによると、これらの3つのウェブサイトは、毎月の平均トラフィックに基づき、それぞれ6位、7位、8位にランクインしました。Thegioididongは、トップ10にランクインしたeコマースプラットフォームの中で唯一、電子機器という1つの製品カテゴリーのみに注力しています。カバーしている事業の範囲が限られているにもかかわらず、Thegioididongは月間平均で2900万人のアクセスを獲得しています。TikiとSendoは、国外から相当規模の資金を手にしています。Tikiは2018年の年初にJD.comから出資を受けました。一方でSendoも、日本のSBIホールディングスやその他の投資家から、5100万米ドルの出資を受けています。

ベトナムのeコマース市場は、2020年に150億米ドルに達すると予測され、以前の収益予測である100億米ドルを上回っています。同国のeコマース産業の年間平均成長率は35%を占めており、ベトナムは世界で最も急速なeコマース市場の成長を見せている国の1つとして捉えられています。産業貿易省のeコマース・IT担当ディレクターであるDang Hoang Hai氏は、2018年はeコマース小売売上高は80億米ドルに達し、予想されていた70億米ドルを上回る数値を示したと伝えています。

首都ホーチミンにおけるeコマースの急成長

世界規模での技術革新の需要高まりに支えられ、ベトナムの首都ホーチミン市のeコマース産業の将来は有望であるといえます。弊社の最新レポート「アジアの上位eコマース都市」によると、ホーチミンは、ソウル、バンコク、東京など、多くの都市と並び、アジアで最もeコマースが発達した都市の1つです。ホーチミンの市場は、1300万人の人口うち87%のインターネット普及率と81%のデジタルバンキング普及率を誇り、デジタル化に向けて急速に適応し続けています。加えて、eコマース業界の急成長は明らかであり、260億の小売市場の機会が同市には広がっています。

この成長は、全てのeコマース取引における包括的な法的枠組み、国内のeコマース決済システムや統合的なオンライン決済ソリューションを含む、eコマースのマスタープランを策定する政府のイニシアチブによって支えられてきました。人口統計で見ると、この市場では通信および金融テクノロジーに対する適応能力が高い若年層が増加しています。それに加えて、ホーチミンの特に小売り市場において、eコマース市場の拡大の鍵となる、中間層から富裕層の利用が急速に拡大しており、市場はまだ飽和状態にはないために、新規企業の参入も、大きく期待できる状況にあります。

機会が存在する一方で、ホーチミン市は、データのプライバシーやセキュリティ、または支払い前のeコマースの商品の確認希望など、信頼の問題から来る課題に直面しています。その結果、製品の品質、顧客サービス、データ保護に影響が生じ、最終的には製品の配送が行われなくなる原因となります。こうした状況から、代金引き換え払いが、依然として支払い方法として好まれています。それに加えて、未整備のインフラは、オフラインかオンラインを問わず、物流コストをさらに押し上げ、最終的には同市のeコマース市場の拡大を遅らせる可能性があります。

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