世界の近代的小売業者に絶好の機会を提供するミャンマー

同国における消費者主義の高まりは、サービス業と製造業の発展に貢献するとみられます。

2019 年 02 月 , by

数十年にわたる軍事政権と閉鎖的な経済政策を経て、ミャンマーは2011年についに外国企業に対して経済を開放し始めました。ミャンマー経済が開放されてから8年が経った今でも、この急成長する市場には、地域と世界の投資家の両方が関心を持ち、投資に動く理由となる多くの未開拓の機会が存在しています。世界中の投資家は、ミャンマーは東南アジア地域で最後の未踏のフロンティア経済であることから、同国は絶好の投資機会をもたらすという事実に賛同しています。

ミャンマーは、2011年の経済開放以来、国内で驚異的な規模の直接投資を行っています。2016年には、国民民主連盟(NLD)の下で新政府が樹立され、ミャンマーの経済見通しに対する世界市場の信頼が高まりました。ミャンマーへの海外直接投資は、2018-2019会計年度に58億米ドルに達すると予測されています。

多くの投資がなされたことで、多数の海外企業がミャンマー市場への参入が進みましたが、現地コングロマリットがこれに太刀打ちできないわけではありません。現地コングロマリットは、経済成長と環境の変化に乗じる動きを見せています。外資系企業や地元企業が増加したことで、雇用率が上昇し、ミャンマー人の購買力も高まりました。

弊社のレポート「次なる成長の波:ミャンマーにおける消費者主義の高まり」において、人口の76%の月給は120米ドルを下回り、非工業部門および農業部門から収入を得ているため、今日のミャンマー人はそこまで所得を得られていないことが報告されています。しかし、2022年までに所得は48%増加するとの分析結果も示されています。国内で消費者主義が高まることは、サービス業と製造業の発展につながります。外国直接投資は、製造分野の生産性向上と全体的な収益の向上に貢献すると考えられます。

ミャンマー人の間で現在、消費者主義の高まりが伺えるなか、同国の小売業は、今後数年間で大幅に成長すると予想されています。小売業の楽観的な見通しは、ミャンマー政府が昨年外資100%の投資を容認したという事実によっても裏付けられています。世界的な小売企業や韓国、タイ、日本の卸売業者は現在、ミャンマー市場での機会を求めています。

小売業界は、2018-2019会計年度のミャンマーのサービス部門におけるプラス成長に貢献すると予測しており、前年度の8.2%に対して今年度は8.3%の成長を見込んでいます。この業界の成長は、ヤンゴンやネピドーなどの大都市にとどまりません。今日では、パテイン、タウンジー、モーラミャインなどの小規模な都市も近代的小売業者の恩恵を受けています。多数の24時間コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ハイパーマーケットがこれらの地域で展開しており、伝統的なウェットマーケットや露天商に取って代わる存在となっています。

近代的小売業の導入における主な障壁として、ミャンマー人消費者の行動が挙げられます。弊社のレポートによると、一般的ミャンマー人は、毎月の収入の45%のみを消費し、残りは貯蓄に回しています。このデータは、一般的に毎月の収入の約70%を消費するタイなどの多くの近隣諸国と大きく異なっています。ミャンマーへのビジネス拡大を熱望している小売業者は、収益性を高めるためにも、この消費者行動を変革させる必要があります。加えて、多くのミャンマー人は依然として近代的な小売店よりも、地元のウェットマーケットや露天商を好む傾向にあるため、近代的小売業者はこれらのビジネスと競争する必要があります。

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