ミャンマーの食品飲料分野は、東南アジアにおける有望な市場

ミャンマーの食品・飲料分野は、近年の同国における平均消費者支出合計額の15%を占めています。

2019 年 01 月 , by Naithy Cyriac

2011年に数十年ぶりに、グローバル市場向けに経済を開放したミャンマーは、東南アジア地域の最後のフロンティア経済であると多くの人にみなされています。この急成長を遂げている市場は、多くの未開拓の機会が見込めることから、地域および世界の投資家の注目を集めています。ミャンマーで2016年に民主化勢力による政権が発足したことからも、同国の成長と経済的展望に関する肯定的な評価が高まっています。

2018~2019会計年度において、ミャンマーでは高い経済成長率が見込まれています。急速に経済発展を遂げるなか、国内のコングロマリットが勢力を伸ばしています。外国直接投資や多くの地元企業の成長により、ミャンマー国民の雇用と購買力が増加しています。ミャンマーではまもなくトレンドとして、消費者主義が台頭するものと見込まれています。

私たちのレポート「次の成長の波:ミャンマーにおける消費者主義の台頭」によると、現在、ミャンマーの人口の約24%が月に120ドル以上の収入を得ていることが判明しています。人口の大半は農業や他の非工業部門に従事しています。ただし、私たちのレポートでは、この比率は2022年までに48%に増加すると予想しており、消費者主義に基づく行動の高まりは、製造業とサービス業の活性化に役立つものとみられています。生産性の高い分野への外国直接投資も、所得増加に重要な役割を果たしています。

ミャンマーの人々の間で消費者主義が高まりを見せる中、食品・飲料分野は、全ての企業にとって、非常に有望なものであることが示されています。私たちのレポート「次の成長の波:ミャンマーにおける消費者主義の台頭」によると、食品・飲料分野は、近年のミャンマーにおける平均消費者支出合計額の15%を占めています。この業界は、ミャンマーの他の業界と比較すると、高いシェアを示しているといえます。

2011年に経済が開放されて以来、世界的な食品・飲料企業が投資を開始し、ミャンマー市場に浸透しました。今日では、多くの食品・飲料会社が、ミャンマーにおいてブランドを確立しています。しかし、この分野に対する需要は依然として高く、ミャンマー市場において将来的に外国企業や投資家が事業を立ち上げるための門戸は現在も依然として広く開かれています。

主要都市に参入した世界的な食品・飲料企業が最近急速な成長を示し、都市居住者がより頻繁に外食する傾向にあります。東南アジア地域のほとんどの国々のように都市居住者に「外食」文化を根付かせることにより、ミャンマーは総消費額を増加させ、結果として同国のGDPと経済の成長を実現することが可能となります。

同国は長年にわたって他国から経済的に孤立していましたが、ミャンマー人の特に都市居住者から、新しい世界的な食品・飲料ブランドおよび製品は、積極的に受け入れられています。しかし、地元企業にとっても、ミャンマー製品を他国へと展開する格好の機会となる可能性があるため、落胆すべき状況ではありません。タイ、ベトナム、および東南アジアの他の多くの国が、これらの新興のミャンマーの食品・飲料企業の主要なターゲット市場となります。

ミャンマーは成長著しい東南アジア地域においては比較的新しい市場ですが、ミャンマー自体が影響力のある料理文化を発展させているため、食品・飲料業界には多くの機会が存在しています。同国は、世界中の食品・飲料企業にとって、次の有望な投資先になるとみられます。

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