ミャンマーにおける消費者主義の高まり

ミャンマーでは、飲食費が平均消費支出において最も多くの割合を占めています。

2018 年 01 月 , by

ビルマの名でも知られるミャンマーは、67万6578平方キロメートルの国土面積を備えた、東南アジア本土最大の国です。2017年に実施された最新の国勢調査によると、人口は5400万人です。ミャンマーは東南アジア地域で最後のフロンティア経済であると考えられています。同国は長年にわたり軍事政権が支配していたために、何十年もの間、外国とのビジネスから遠ざかっていました。

ミャンマーが外国企業や投資家のために国境を開放するイニシアチブを示したことで、状況は大きく変わりました。ミャンマーは現在、経済と産業において、急速な変革を遂げています。この急成長する市場は現在、この地域の企業およびグローバル企業が活用できる、多くの未開拓の機会を提供しています。外国企業は今では同国において、事業の参入、成長、拡大を実現することが可能となっています。

ミャンマー人は経済的、政治的に不安定な状況を目にしてきたために、従来より投資や貯蓄指向の国民であるとみなされてきました。収入の70%を消費するタイの消費者と比較すると、典型的なミャンマー人は、平均月収の45%のみを消費しています。これは、平均的なミャンマー人の給与水準はタイの平均的な労働者の約5分の1であるため、平均所得が大きく違うことと、さらには小売および金融分野の発達状況において資金的な格差が存在することが原因であると考えられます。典型的なミャンマーの消費者は、不動産や金への投資に向けて毎月の収入のかなりの割合を節約し、緊急時のために自宅に現金を貯蓄しています。

ミャンマーの平均消費者支出において、最も多くの割合を占めるのは飲食費で、15%を占めています。パーソナルケアと家庭用製品が7%でこれに続いています。医療と教育はミャンマー政府から無料で提供されておらず、その結果、平均的なミャンマーの消費者にとってこの2つは主要な支出となっており、それぞれ2%と4%を占めています。

通信費は現在、ミャンマーの消費者支出全体の2%を占めていますが、この割合は、同国で急速にデジタル化が推進されているので、将来的に成長する可能性が高いといえます。貯蓄指向型の国民性から、外食にかける費用はミャンマーの消費者にとって大きな費用とはならず、現在は総支出の1%のみとなっています。しかし、バーガーキング、ピザハット、ハードロックカフェなどの国際的なフランチャイズが急速に成長を遂げており、ミャンマー国民がより外食の頻度を高めるきっかけになると考えられます。

ミャンマーは、2011年に世界のマーケット向けに経済を開放して以来、顕著な経済成長を示しています。それ以来、外国直接投資は驚異的なペースで成長しており、2015年から2016年の間に95億米ドルに達しています。外国投資や国内消費の増加に伴い、2020年までにミャンマー経済はアジア開発銀行によれば約6.8%の成長を見込んでおり、今後は消費者支出の水準が高くなる可能性が高いといえます。

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