ジャカルタの地盤沈下に伴い、首都移転計画を再検討するインドネシア

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、首都を移転させる計画を再度提案しています。

2019 年 03 月 , 特集:

以下の通り紹介されています。

インドネシアの首都ジャカルタは、交通渋滞と大気汚染に加えて、別の問題を抱えています。1000万人を抱えるこの都市は地盤沈下が進んでいます。

BBCの先月の報道では、一部の研究者が、ジャカルタの大半が2050年までに完全に水没する可能性があると予測し、ジャカルタ北部はすでにこの10年間で2.5メートル沈んだと述べています。

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、首都移転計画を復活させました。最近の閣議で、ウィドド氏は閣僚に対して提案を求めたとジャカルタ・グローブ紙は4月29日に報じました。

同紙によると、ウィドド氏は以下の3つの選択肢があると述べています:首都をジャカルタのままで継続する、ジャカルタから半径50~70km圏内の地域へと移転する、またはジャワ島から首都を完全に移転させる。

新たな首都の建設には5年から10年を要し、330億ドルもの費用がかかる可能性がある、とジャカルタ・ポスト紙はBambang Brodjonegoro国家開発企画庁長官の言葉を引用し報じました。

世界規模で展開する企業であるYCP Solidianceのジャカルタオフィスのコンサルタント、Gervasius Samosir氏は、「この移転案は新しいものではなく、スカルノ氏以降の大統領は、首都を移転する必要性について言及してきました」とチャイナデイリーに語っています。

しかし、これまではいかなる場合においても、このアイデアは議論の段階を超えませんでした。

現在、ウィドド大統領は数十年前の計画を復活させ、ボルネオ島に位置する人口約26万人の都市パランカラヤへの移転案を支持しています。同市は、自然災害の影響を比較的受けづらく、インドネシアの群島の中心近くに位置しています。

Bambang長官は、4月29日の閣議後の記者会見で、新首都は「インドネシアの地理的中心地」に移転する可能性が高いと語りました。

その他の基準としては、土地の利用可能性、給水環境、海岸や外国領土との近接性、および既存インフラが挙げられます。

「私たちは、災害リスクが最小限となる場所を見つける必要があります。そして、インドネシアは海洋国家であるため、新しい首都は海岸の近くに位置するのが望ましいものの、必ずしも海のそばに位置する必要もありません」とBambang氏は述べています。

「私たちは、インドネシアのアイデンティティを反映するだけでなく、近代的で世界レベルの都市、あるいはスマートで緑豊かで、美しい都市である必要があると考えます」と同長官は伝えました。

ジャカルタのトリサクティ大学の都市プランナーであるYayat Supriyatna氏は、ウィドド氏が5月6日に大統領宮殿で合同会議を開き、政府高官、行政、立法、司法の各代表者の前で首都移転を発表するなど、この問題に真剣に取り組んでいるとチャイナ・デイリーに語っています。

ウィドド氏は、新首都には支持されるべき多くの要因が存在し、その中でもボルネオ島が理想的な場所であると述べました。「この地域は戦略的に見てもインドネシアの真ん中に位置する好立地であり、土地の多くは、すでに政府や国有企業によって所有されています。このため、インフラ整備と移転にかかる投資コストが削減されます」。

「また、潜在的な地震、火山、津波、洪水、浸食、および森林火災の被害に遭うこともありません。水資源が豊富で、大気汚染に悩まされていない」

バンドン工科大学の地球科学技術学部の講師であるHeri Andreas氏は、「ジャカルタは13の河川が街を横切る氾濫原に位置しており、長きにわたって洪水に悩まされてきました」と述べました。地盤の沈下と海面上昇のために、ジャカルタは現在、沿岸洪水と潮の浸水に苦しんでいる、と同氏は付け加えました。

Andreas氏は、新首都としてのパランカラヤは「現在は大都市ではないが、インフラは整っており、様々な話を考慮すると、良い状態にある」として、その選択を評価しています。

出典:チャイナデイリー

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