インドネシアのGDPに対する

下流化学産業の大きな貢献

インドネシアの下流化学産業は国家経済に大きく貢献し、上半期のGDPは91.7兆インドネシアルピアに達しました。

2019 年 12 月 , by
インドネシアの下流化学産業は国家経済に大きく貢献しており、2019年上半期のGDPは91.7兆インドネシアルピアに達しました。この産業は、国家経済において約1.19%貢献していると記録されています。中央統計庁(BPS)のデータによると、化学製品に関わる工業部門も良好なパフォーマンスを示しており、同期間の成長率は10.4%に達しました。

インドネシア工業省が述べたように、インドネシア政府は現在、ロードマップ「メイキング・インドネシア4.0」に基づく優先分野の一つとして、化学産業の育成に注力しています。政府は、製造体制の一層の強化と深化を図り、上流から下流まで一貫した産業を国内に作り出すことを目指しています。

インドネシアのChemical4.0戦略には、輸入への依存を減らすために国内の石油化学製品の供給能力を発展させること、石油・ガス資源を利用し、天然ガス採掘現場近くでの化学製品工場の建設を含む国内の工業地帯の最適化を実現し、競争力のあるコストで化学産業を構築すること、生産性の向上、バイオ燃料やバイオプラスチック生産における次世代化学製品の製造能力の開発が含まれます。

原材料の依存への対処

「メイキング・インドネシア4.0」を推進するうえで、政府は同国の豊富な薬草製品や、堅調な製薬産業を活用しながらも、生化学産業に特に焦点を当てています。ジョコウィ大統領はまた、インドネシアを石油化学製品の世界的な輸出国にするためのインドネシアの取り組みを訴えています。

しかし、政府はまず、輸入原料に対する化学産業の高い依存を含む、業界が直面している問題に取り組む必要があります。具体的な事例の1つは石油化学産業で、この産業は年間約560万トンの原材料を必要としますが、国内で調達できるのは、わずか245万トンにとどまります。医薬品業界は、必要な原材料の90~95%を輸入に依存しているために、最も苦しんでいます。輸入資材への依存度の高さは、製造コストが高くなることを意味します。

政府は、外国人投資家がインドネシアの医薬材料事業で最大100%の株式を取得できるようにするなど、制約を取り除く努力を進めてきました。インドネシア工業省は、石油化学産業への投資を引き続き奨励し、国内・輸出市場に対応する能力を高めるとともに、輸入代替品の製造を目指しています。

同省は、石油化学産業が、国家経済に大きく貢献したことを強調しています。化学・製薬産業への投資は、2018年に39.31兆インドネシアルピアに達しました。それに加えて、化学産業と化学関連製品の輸出額は、139億3000万米ドルを記録しています。

今後数年間の主なプロジェクト

韓国のコングロマリットであるロッテケミカル・タイタン・ホールディングのインドネシア法人、ロッテケミカル・インドネシアは、国内に石油化学コンプレックスを建設する計画を立てています。この計画の背後では、ジョコ・ウィドド大統領が韓国企業に対してインドネシアへの投資を求めると同時に、よりビジネスに好都合な環境を整備することが約束されています。

35億米ドルのロッテケミカル・インドネシアの新しいエチレンプロジェクトの成功は、ロッテグループにとって、さらには同社が掲げる東南アジアでトップレベルの石油化学企業になるという計画にとって指標になるとみられます。このプロジェクトは現在計画段階にあり、2023年に完了する予定です。

さらに、ロッテケミカル・タイタンは、マレーシアの施設の原料を用いてナフサ蒸気クラッカーを追加する計画を立てています。完成後、施設はHDPEおよびLLDPEプラントとの統合されたコンプレックスとなり、貿易の不均衡を解決し、インドネシアの石油化学部門の貿易赤字を削減するものと期待されています。

ジョコ・ウィドド大統領はまた、バンテンに国内の石油化学会社PT. Chandra Asri Petrochemical Tbkの新工場を稼働させています。総投資額は60~80兆インドネシアルピアで、2019年から2024年にかけて石油化学コンプレックスを建設し、年間800万トンにまで生産容量が拡大する見通しです。

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