東南アジアにおけるB2Bデジタルセールスの成功事例

デジタルソリューションが多様性に富む東南アジアのB2Bセールス業界の未来を切り開く

2021 年 04 月 , by Alexandra Santiago

東南アジアのB2B業界もまた新型コロナウイルスによるパンデミックの影響を大きく受けています。東南アジアの多くの国では、規制や厳しいロックダウンを余儀なくされており、従来の販売方法を継続することは非常に困難な状況に陥っています。

従来、B2B業界は顧客と直接対面して関係性を築く営業手法に依存しているため、コロナ禍において新しい営業手法のあり方を模索する必要に迫られています。その中で、「営業のデジタル化」は、パンデミックの危機を乗り越えるだけに留まらず、B2B業界における営業の在り方そのものを変革しうる可能性も秘めています。

B2Bのオンラインセールスには、未開拓の市場が多くあります。消費者の多くはすでにオンラインに精通しており、パンデミック前でさえ、94%の人が購買を決定する前に定期的にオンラインリサーチを行っています。ロックダウンが進むにつれ、オンライン販売に対応している企業を探す人が増えている一方、多くの企業ではまだ対応が進んでいない状況でもあります。

他方で、デジタル技術を取り入れてオンラインセールスを開始している企業は、すでに大きな成果を上げています。YCP Solidianceは、ホワイトペーパー「東南アジアにおけるB2Bデジタルセールスの変革:B2Bセールスのデジタル化における障壁、解決策、主要な成功事例」の中で、この新しい領域に適応し、成功するための2つのケーススタディをご紹介しています。

販売のデジタル化によるコスト削減

機械メーカーであるMM社は、自社の最新のソフトウェアを販売したいと考えていましたが、2つの大きな問題に直面していました。

1.     従来の販売方法では、販売員の固定給だけで製品価格以上のコストがかかってしまうため、ソフトウェアを導入してもらえないこと

2.     新しいソフトウェアを適切に販売するためには、高いリスクを負って技術的な専門知識を持った営業スタッフを新たに育成しなければならないこと

これらの解決策となったのは、デジタルマーケティングです。同社は、生産管理者や工業技術者をターゲットにした販売用のウェブページを作成し、オンライン広告でウェブサイトへのアクセスを促しました。見込客が関心を持ってくれたら、より高いコンバージョン率を実現するために質の高いリードを優先して、事務スタッフが営業担当者とのアポイントメントを設定します。

このデジタルキャンペーンでは、2カ月間で3カ国から500件以上の問い合わせを獲得し、その1件あたりのコストはわずか20ドルでした。

新規市場への参入が容易に

原材料メーカーのIM社は、国内市場で確固たる地位を築いていましたが、他のASEAN諸国にも積極的に進出しようと考えていました。特定の成分を生産できる世界でも数少ないメーカーとして、先行優位性を拡大したいと考えていましたが、地域的な課題に直面しました。

1.     他の国では、市場行動や産業構造が大きく異なるため、IM社で成功した販売戦略を再現できないこと

2.     海外での集客にはコストと時間がかかること

これらの問題を解決するためには、新しい市場で、オンラインでの存在感を確立することが鍵となりました。テストマーケティングでは、多様な顧客層に向けてメッセージ性の異なる複数の販売用ウェブページを作成し、ターゲットを絞ったオンライン広告を実施しました。そして、最もコンバージョン率の高かったウェブページを使ってマーケティング活動を拡大していきました。これによって、現地の営業チームが効率良く適切なリードを獲得できるようになりました。

この施策では、わずか2ヵ月間で5カ国から792件の問い合わせを受け、その1件あたりのコストはわずか17ドル、顧客獲得単価は700ドル以下となりました。

ビジネスの将来性

パンデミックの影響でビジネスのあり方が変わり、オンラインチャネルが日常生活に急速に溶け込んだことで、デジタルセールスがニューノーマルになりつつあります。多様性に富む東南アジアの市場では個別のアプローチが必要ですが、販売のデジタル化によって容易に対応することができます。

ビジネスをデジタル化するための5つの重要な提言と、この変化する状況に貴社の業界が適応する方法については、こちらからレポートをダウンロードしてご確認ください。

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