2012年以降、ベトナムの自動車産業は、年平均成長率38%を示しています。

2012年以降、ベトナムの自動車産業は、年平均成長率38%を示しています。

2018 年 03 月 , by

ベトナムは、東南アジアで最も急速に経済成長を遂げている国の1つであり、2018年に示したGDP成長率7.08%は、この地域の国々の中で最も高い数値となっています。ベトナム政府は輸出中心型の経済政策の実施に成功し、ベトナムの経済的な繁栄と消費者主義の改善を実現しました。国内における消費者主義の台頭は、自動車産業など、同国の様々な分野の成長に役立つと予想されています。 

自動車産業の多くの製品ラインの中で、乗用車はベトナムで最も急成長を遂げている製品カテゴリーであることが明らかになっています。2012年以降、ベトナムはASEANにおける乗用車の市場として、最も急速な成長を示しています。この期間、同市場は38%の年平均成長率(CAGR)を示しました。この急成長市場は、有望な市場への参入を試みる世界中の多くの自動車メーカーの注目を、確実に集めています。

弊社のレポート「ベトナムを動かす力:ベトナムの乗用車市場はギアチェンジしているのか?」によると、複数の要因がベトナムの乗用車への需要の急増に貢献しています。総合的な経済成長により、国民の購買力も高まったことが、ベトナムで乗用車の台数が増加した重要な要因の1つといえます。もう1つの要因は、ベトナムでは乗用車はステータスの象徴であり、安全で便利な移動手段としてみなされているという事実です。そしてもう1つ大事な点として、ベトナムはこの地域で最も自由な貿易環境が整備された国の1つとして知られており、開かれた経済は、様々な製品に対する関税引き下げをもたらし、手頃な価格での車両の購入が可能となっています。

ベトナムの自動車産業は、驚くべきペースで成長する可能性があります。しかし、さらなる発展を遂げるために、ベトナムの乗用車市場が直面する課題は数多く存在しています。ベトナム政府は、ハノイやホーチミン市などベトナムの大都市を中心に発生している交通渋滞や公害問題を軽減するために、高額な税金を課しています。政府はさらに、徴収した税金と手数料で、国内の乗用車産業を保護することを目指しています。この問題は、現在急速に成長を遂げている乗用車市場に不利益をもたらす可能性があります。

2017年には、政府はCO2排出量削減に向けて、小型エンジンの乗用車を優遇する規制を導入しました。この規制により、2.0L未満のエンジンを搭載した小型車に対して、以前の税率からは5%低い40%の税金が課されることとなりました。この税率は、100%以上の税金が課されている、4.0L以上の乗用車と比較すると優遇されています。ベトナム政府が導入した、排気量ごとに税優遇が異なる制度により、過去数年間で小型エンジン容量の乗用車が増加し、大型エンジン容量の乗用車が減少しています。

ベトナムの自動車市場におけるもう1つの課題は、国内での自動車製造です。輸入関税や長年にわたる国内メーカーの保護策など、政府の様々な取り組みの結果、地元の乗用車産業は依然として規模が限られており、ベトナムの様々な自動車部品の10%から30%しか提供ができません。2018年にASEAN加盟国が2018年に輸入完成車(CBU)関税を完全に撤廃したことで、状況は悪化しました。その後、地元メーカーは、ベトナム市場における事業戦略を再考しています。

ベトナムは、急速に成長する同国の乗用車市場において機会を提供するために、タイムリーにこれらの課題を克服することが求められています。

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